京都・松尾大社

 

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松尾大社の本殿・酒樽・お神酒

 嵐山・松尾大社に参拝した。松尾大社は酒の神様としてよく知られている。祭神はオオヤマクイノカミ。山城の国・松尾に鎮座されたことが古事記に記載されている。当初は、大社の背後にそびえる松尾山の盤座(いわくら)に祀られていた。オオヤマクイノカミは山の地主神であり、治水・開拓・農耕の神様。そして、酒造りは農耕と縁が深いことから、酒造りの神様でもある。

 5世紀になって半島から渡来してきた秦氏一族がこの地に住み、嵐山の保全桂川の治水・周辺地域の開墾を進め、酒造りなどの殖産事業にも力を尽くした。秦一族は松尾の祭神を氏神として尊崇したということだが、この地域が発展するにつれて松尾大社の神徳も評判となっていったのだろう。

 この日は前夜の雨もあがって適度に曇っていて、ときおり頬をなでる風が心地よかった。また、周りの木々の緑も鮮やかで、とくにもみじの緑(青もみじ)は素晴らしく、しかも人もまばらで、絶好の参拝日和。

 普段であれば本殿の脇から松尾山の盤座へ登ることができるのだが、残念ながら昨年9月の台風21号の被害を受けて登攀不可能ということだった。確かに、よく見ると本殿を囲むように位置する山肌の一部は痛められたままの状態だった。

 台風の発生は地球温暖化と無縁ではない。海面の温度が28℃以上になると”台風のたまご”の熱帯性低気圧が発生しやすいという。従来は深層海洋水の温度が低く、海面近くの海水と混じりあうことによって低気圧の発生を未然に防いでいたのが、温暖化の最近はそれが難しくなってきている。

 台風の追い打ちで本殿に何かあったら一大事だ。世界が協力して、早急に温暖化防止の手立てに取り組む必要があろう。この日は、とりあえず松尾大社の祭神に「国の守り神」としての神徳を発揮して戴くことをお願いした。もちろん、「酒の神様」のお神酒も有難く頂戴した。

 昔から、多くの人が似たような願いを繰り返してきたのだろうと思いつつ大社を後にした次第である。