水の循環

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箕面の滝

 箕面の滝への登り口はわが家から自転車で30分ほどの距離にある。そこから歩いて40分ほどで滝に到着。1万歩足らずで往復できるので、ときどき、滝を眺めに行くことにしている。昨年は台風のため一時、通行禁止になったが、今年も緑豊かな樹々の間を滝水が勢いよくほとばしりながら落下している。時折、水しぶきが飛んでくるのも心地よく、心身ともにリフレッシュされる。

 絶え間なく流れおちる水の動きを眺めていると、「水の循環」という言葉が頭に浮かぶ。この滝の水は箕面川-猪名川-淀川を経て大阪湾に注ぎ海水の仲間入りをする。海水は蒸発して空へ昇って雲となり、やがて雨や雪となって地上に戻る。この大循環が地球環境の維持にとても大切であり、大循環の中にある水の一場面を今、眺めていることになる。落下する滝水に途切れがないように、「水の循環」も途切れなく進行する。まさに、「ゆく川の流れは絶えずして もとも水にあらず」なのだ。

 水はわれわれの身体も通り道にしている。私たち成人の場合、身体から毎日、尿や便として約1.3L、呼気とともに0.4L、皮膚から汗などとして0.6L、全部で約2.3Lの水が出てゆき、それを食物から0.6L、飲料水として1.5L、身体の中の代謝反応からの0.2Lの水で賄っている。これらの水も「水の循環」の中にあり、私たちの命は、この循環に支えられているのだ。

 したがって、一日、1.5Lの飲料水を摂取することが健康保持には大切だけど、とくに身体は朝が一番水不足の状態にある。寝ている間に汗や呼気で体内の水は飛んで行ってるし、年寄りは夜中に頻繁にトイレにゆく。寝ている間は、そのわりに水を飲む機会が少ないので朝起きがけは水不足の状態にある。私は起きたらまずコップに2杯ほど水を一気に飲むようにしている。「そんなに飲めるの!」と家人は驚くが、朝の起きがけはスムースに飲むことができる。身体も水を欲している証拠だろう。

 水が大事だからといって、明日の分の飲みだめはできない。出てゆく分を毎日摂取する。こうすることによって身体が安定した様態を維持することができる。これは「恒常性の維持」と呼ばれていて、健康を意味する。そのためには、毎日、身体は必要な分だけ使い、必要な分だけ補給する。

 水に限らず、酸素も栄養分も必要な分だけを絶えず補う必要がある。これらは「恒常性の維持」のために本当に必要なものたちである。そして、どれもが「天地の恵み」である。あらためて「天地の恵み」の有難さに感謝しつつ、滝口を離れて帰路に着いた。